ルクセンブルクにある廃墟化した城の中でも、土台などが結構しっかり残っているルクセンブルク国内最大の城跡です。
蛇行するシュール川が作り出す起伏のある美しい丘陵地帯に、かつての威容を偲ばせて佇む姿はルクセンブルクの歴史を感じます。しかし残念ながら立地的にいちばん美しくその全容を眺められるのは空撮……ぜひ公式サイトでその空撮動画を堪能してください!

現存する記録に「バートラム・フォン・ブールシャイト城領主」の名前が初めて出てくるのが11世紀終わり、しかし紀元1,000年前後にはすでに石造りの城がこの地に建てられていたようです。敷地からはローマ時代、メロヴィング朝、カロリング朝、オスマントルコ時代の痕跡が発掘されています。最初期に建てられた内側の城壁と建物はロマネスク・ゴシック様式、1384年には8つの塔を含む外城郭が完成。その後16世紀にブールシャイトの領主の家系が絶えても、城は新しい持ち主の居城として増築を繰り返して使用され続けましたが、フランス革命が勃発して封建領土が崩壊すると、城の所有権はトリーアの大司教の手に渡り、ブールシャイト城の家財一切が競売にかけられ四散してしまい廃墟化。その後1936年に歴史的モニュメントとして登録され、1972年に国有化されてふたつの建物が記録をもとに復元されたのが現在の姿です。(以上上記公式サイトより)
このヨーロッパの歴史を体現したような中世の城、ルクセンブルク市内から結構手軽に行けるのです。空撮を眺めるのもいいですが、実際に城からシュール川とブールシャイトの丘の風景を自分の目で眺め、この地を移動し、戦い、勝ち取り、そして滅んで行ったゲルマンの騎士たちに思いを馳せるのもまた楽しいですよ。
つわものどもが夢のあと……。
城壁のあいだから眺めるシュール川。中世の兵士たちもこの景色を眺めたに違いないのです。
バス停から城にくだる道から堪能する、幾重にも丘が連なるブールシャイトの村、標高513m。領主の城より高い場所に村があるのは実は珍しい模様。アルデンヌ地方というとバルジ作戦での森のイメージですが、この広がる丘陵も典型的な南アルデンヌの風景です。
*この記事のアイキャッチ画像はフリー素材
https://pixabay.com/users/yvonnehuijbens-504485/
さんからお借りしています。
行き方
ルクセンブルク中央駅からLine 10の電車(30分前後)→ エテルブルック駅下車、545番 Heiderscheid行のバス(15分)→ Bourscheid, Bei der Kiirch下車、徒歩 15分
*曜日にもよりますが、中央駅からエテルブルックまでの電車は1時間に4本程度、エテルブルックからブールシャイトまでのバスは1時間に1〜2本(ただし日曜日運休)出ています。
営業時間
9:30 – 18:00(4月〜10月中旬)
11:00 – 16:00 (10月中旬〜3月)
最終入場は閉館時間の30分前まで、オーディオガイドの貸出は閉館時間の1時間30分前まで。
入場料(オーディオガイド込)
大人 5ユーロ
子供 3ユーロ(6〜12歳、5歳以下無料)
割引 4ユーロ(25歳までの学生および65歳以上、要身分証明書)
オーディオガイドの言語は、英・仏・独・露・オランダ・スペイン・ルクセンブルク語のみ
(情報は2019年7月時点のものです)
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