1340年から続き、今年は679回目を迎えた欧州最大規模の移動遊園地、ルクセンブルクの誇るシューバーファウアー。200を超えるアトラクションと屋台の中からすべてを網羅するのは無理ですが、毎年おなじみのあのお店、今年初お目見えの絶叫マシンなど、そのごく一部を写真でご紹介!
シューバーファウアーの花形!トラムの駅を降りると真っ先に目に入るローラーコースター。360度の回転こそないものの、見慣れたグラシスに突貫工事で建てたレールを猛スピードで駆けるコースターは、ある意味どんな絶叫マシンより怖いかも。
この記事のトップ写真の観覧車はもうひとつの花形。これはその観覧車から見下ろす会場の様子。コースターやラウンド系、フライングパイレーツ的なスイング、回転ブランコ等の各種ライドが所狭しと並んでいる様がわかります。
こちらは観覧車が頂上のあたりに来た時に見える景色。ルクセンブルクの市街地の周囲に広がる森と丘がはるかに見渡せます。
絶叫マシンのこの近さ。人が落ちてきそうでヒヤヒヤするのもまたシューバーファウアーの醍醐味。
障害物をクリアしながら進んでいくびっくりハウスのようなアトラクション。アスレチックコースがお化け屋敷の中にあるような感じ?(怖くはないです)。これは人気があるらしく数軒あり、全年齢楽しめるので、家族づれやティーンエイジャーが数人でワイワイ挑戦しています。夜ともなれば酔っ払いが参加し、全然クリア出来ずにウザく騒ぐのであろうことは想像に難くないです。
いろいろ版権的にアウト?そうな射的、プリミティブな輝きを放つ輪投げ、コイン落としとスロットマシンとぬいぐるみキャッチャーばかりが並ぶアーケード。洋の東西を問わない、祭りのあるべき姿。
ピンボールで標的に当てることで馬を動かしゴールに着く速さを競うレースゲーム。今年はらくだレースになってましたが去年は馬でした。十年一日のようでいて、ちゃんとモデルチェンジしております。
ちゃんとちっちゃい子用のライドもあるので家族づれも安心。
ゴーカートもちっちゃい子用と大人用とに別れていて、大人達は遠慮なく当てに来ます。さすが運転の荒い国ルクセンブルク。この写真を撮っていた時は、ティーンエイジャーのボンクラ男子二人組がカップルの車を狙っていました(しかしカップルは素早く逃げていた)。
サッカーはルクセンブルクでも人気スポーツ(余談ですがルクセンブルクのナショナルリーグでは現在4人の日本人選手が活躍しております!)。シュートを入れると人気チームのユニフォームが貰えるアトラクション、ゴールを守っているのはオリバー・カーンのハリボテ。係員のおじさんのアナウンスがW杯会場のような臨場感を演出。右は単なる滑り台なんですがこちらも大人気。大人も楽しそうに滑っていました。
個人的に今年のアトラクションのナンバーワン。この看板に貼られたお札にタッチ出来ればその100ユーロが貰える!一回5ユーロで挑戦出来るのですが、これ成功した人いるんだろうか。お察しとは思いますが、どっかで見たようなロゴと看板ですが某エナジードリンクとはなんの関係もありません。
仮設のレストランも立ち並びます。RTL(ラジオテレビジョンルクセンブルク)はさすが欧州随一のメディアだけあって、夜毎ライブ演奏のあるパブでサポート。ルクセンブルクのビールメーカーBATTINのランプが可愛い。仮設ながら二階席もあるオランダファーストフード屋台。
陸の通商路の要所であるルクセンブルクでの経済活動の活性化を目的に、時のルクセンブルク領主ボヘミアのヨハン盲目王が開いたマーケットがシューバーファウアーの始まり。その発祥を感じさせるように屋台飯も欧州の地方色豊か。大公家と関係の深いオランダとポルトガルが、それぞれポファチェス&ストループワッフルとパステス・デ・ナタの屋台の軒を入り口付近に連ねております(ここのパステス・デ・ナタは美味しかった!)。焼きとうもろこしの屋台はわかりやすい、日本と違い醤油味ではなくバター味の模様。地元ルクセンブルクのソウルフード Gromperekichelcher(グロンパーキシェルシャー、ポテトをすりおろして揚げたものにアップルソースをつけて食べる)とMettWrust(サラミのようなスパイスの強いソーセージ)の屋台も当然並んでおります。MettWrust が癖が強すぎるなら BratWrust か Thüringer のソーセージがオススメ。ルクセンブルク産のケチャップとマスタードをたっぷりつけてどうぞ。ベルギーのゴーフル(ワッフル)とフランスはブルターニュのそば粉クレープは大人気。チューロスを売る屋台からも美味しそうな匂いがしています。
通商の要路のマーケットの名残は、トラムの線路沿いに続く出店に見ることが出来ます。健康商品(なぜかドイツからが多い)からスパイス、100円ショップで売ってそうな便利グッズ、アート作品から寝具、装飾品に至るまでいろんなお店が並び、ここを冷やかして歩くのも楽しみのひとつ。キッチン用品の実演販売を見ているとつい買ってしまいそうになります。実際シューバーファウアーで珍しいものを買うのは地元ルクスっ子の習慣っぽい気が。デパートないしね(2019年夏現在、もうすぐ市内にラファイエットが完成予定)。
トラム沿いの入り口は出てすぐに線路があり、周囲に踏切や遮断器などはないので、出入りの時は十分ご注意!会期中は何人ものセキュリティが歩行者の安全に気を配ってくれていますがやはり最後に頼みになるのは自分の目と耳。ルクセンブルクではトラムと自動車・バスとの衝突事故が頻発しているため、よく見て聞いて、がモットーのトラムのゆるキャラは鬼太郎パパのような目玉くんと耳くんなのです。
シューバーファウアーの公式マスコットキャラクター、羊のラミー。青いシャツを着た羊飼いが羊の群れを追い立てていくセレモニーで始まり、中世には羊や馬など家畜を売買する市場でもあった歴史を体現したマスコットなのです。また15世紀の狩猟クラブがシューバーファウアーで開催した射撃大会での賞品が羊だったという故事にちなんで、2019年から羊のラミーがチャリティーくじを販売。Lammy on Tour と銘打って会場で着ぐるみが直々に売りに来てたみたいで、出会えた人はラッキーでした。羊のラミーのキャラクターグッズは入り口のこの屋台でも購入出来ます。
シューバーファウアー Schueberfouer
公式サイト(英語)
2019年の日程:8月23日(金)から9月11日(水)まで
場所:グラシスGlacis(トラム最寄駅:Theatre)P&R 駐車場から無料シャトルバス(37番、29番)あり。
アトラクション営業時間: 14〜25時(月−木)、14〜26時(金)、12〜26時(土)、12〜25時(日)
*最終日(9月11日)は14時〜20時までライド・ゲームが半額になるHalf Price Day、22時からシャーロット大公橋(Rout Bréck)にて花火打ち上げで閉会。