Itzig のハイキングコースを歩く

市の中心部からほど近いItzig(ルクセンブルク語ではIzeg)を起点にした7.4キロのハイキングコース。都心に近いとは思えない自然いっぱいの散歩道です。

中央駅から5キロと離れていないエリアを回る山あり谷あり小川ありの人気トレッキングコースの起点はItzig(たぶんイトズィックと発音するんだと思うのですが正しい発音ご存知の方は教えてください…)、ルクセンブルク語表記ではIzeg(イゼッシ)、中央駅東に広がる住宅街ボヌヴォワと隣接する小さな集落の教会前。中央駅から144番のバスで10分ほどで到着します。

バス停の名前はそのまま Itzig, Kirch

車で行く方はこの教会の前の道から Rue de Bonnevoie へ折れて上がっていった先の墓地の隣にある駐車場に停めると便利。ちなみにこの小さな村の墓地には、山岳の天使と呼ばれたルクセンブルク人自転車選手のシャルリー・ゴールが眠っています。

中央駅からの近さを誇りながらも静かな田舎の町そのままの佇まいも残す高級住宅街を眺めながら歩くのもオツ、Rue Espen を登っていくとこの入り口に突き当たるのでここからサッカー場の脇を抜けて森に入って行きます。

整備され歩きやすいながらもワイルドさも程よく残した森の中、自然のいろんな表情や鳥の啼き声を楽しんでいると突然昔の砦の跡らしい積み上げた石塁が出て来たりするところがさすがルクセンブルク。

少し険しい山道を下ると、そこにはオフィーリアが流れて来そうなよどみが。アルゼット川です。川沿いはサイクリングコースかつ市民の散歩道になっていて天気の良い日にはジョガーやサイクリストがひっきりなしに通り、町の近さを感じます。



引退後、Itzig で余生を過ごした「山岳の天使」ことシャルリー・ゴールの生涯と業績を説明する看板があるあたりさすがご当地。やがて川の向こうに見えてくるのは水車小屋とダム。



古い水車小屋ガンテンベーンズミレンGantenbeinsmillen(現在はカヤック・センターの事務所になっています)の上にあるのがこの20mの岩の亀裂 ターベルズフィエルズTurbelsfiels 、1599年にはこの名前で呼ばれたいたことが文献でわかっています。

ボヌヴォワの鍛冶屋がこのあたりの土地を購入し、刀鍛冶のための水車が作られたのが1786年。続いて1821年にピエール・ガンテンべーンがこれを購入、水車小屋の名前はこの人の苗字から取られたわけです。ガンテンべーンが作り変えた3つの水車と倉庫を持つ粉挽き小屋は1872年に隣接するハム地区のゴショー兄弟に買い取られます。兄弟はこの地域の主要産業であった繊維会社を経営していて、周辺の土地には作業所と倉庫、労働者の住居が建てられました。けれども1934年に土地の一部を購入したカミーユ・クレメール・レグロがこの場所を開発しホテル付きの屋外プールを建てた時には、すでに朽ち果てた古い水車しか残っていなかったようです。開発は第二次大戦後にジュールス・ローリングという別の業者が引き継ぎ、屋外プールは一旦閉鎖され、1970年代にオステリエ・ガンテンベーンズミレンとして再オープン、このプールはオープン後しばらくはルクセンブルク市民のレジャーの場としてとても人気があったようですが、現在は閉鎖され廃墟化しています(以上現地にある案内板の解説によります)。 廃墟になったプールの様子はRTLのサイトで見ることが出来ます。建物を自分の目で見てみたい廃墟マニアの方は橋を渡ってコースを外れ、川沿いに少しだけ戻るとプールの建物が見えてきます(言うまでもなく現在立ち入り禁止)。
またこの橋から先の川の両側は Godchaux Circular Walk と言う別の周回遊歩路になっています。前述したゴショー兄弟が、最盛期にはこの地域だけで800人いたという自社従業員のために作った村と、古い煙突の残る工場跡を巡る2時間ほどの散歩道になっています(英語ですがこちらのPDFリーフレットに詳しいコースの案内あり)。保育園から洗濯場、独自の消防署まで持っていたと言う驚きの福利厚生の従業員村の痕跡を探して Rue de la Montagne と Rue Godchaux 沿いに歩くのも良いですね。

この水車跡はルクセンブルクに山ほどあるトレイルコースの複数の交差ポイントでもある名所。自分の歩いているコースの目印を見失わないように〜〜。


複数の遊歩道があちこちに出ている中、我々のコースの看板は岩の亀裂の上を登っていく山道を指し示している…ここ大丈夫なの?と言うワイルドな道がしばらく続きます。

さっきのダムと水車が真下に見える岩の亀裂の真上。歩きやすいように整備してくれてることは感じますがそこは森の民ルクセンブルクの遊歩道、日本人にはトレッキングシューズをオススメしたい箇所が続きます。養蜂の巣箱が並ぶ場所にはミツバチ注意の看板も。

A1 道路をまたぐ場所も。遠くにキルシュベルクの高層ビルやコックのドームも見えたり。



A1 を越えたあとはルクセンブルクの広ーいトウモロコシ畑や麦畑をのんびり歩いて Itzig まで戻ります。木立の間からはるかに広がるルクセンブルクの郊外の景色が美しい。

Itzig の集落を見下ろす

コースは住宅街を抜けてやがて出発点の教会を見下ろす坂の上に出ます。見晴らしのいい丘に沿って可愛らしい家が立ち並ぶ、典型的なルクセンブルク近郊の可愛い村の風景。一国の首都の中央駅からバスで10分とは思えない景色。

すごいよ geoportail.lu

ところで今回のお出かけに初めて使ってみたのですが、ルクセンブルク政府の National Geoportal of the Grand-Duchy of Luxembourg のサイト、geoportail.lu すごくないですか?必要なポイントを表示するレイヤーを作って地図をカスタマイズ出来る(まぁわたくしは使いこなせてないのですが)だけでなく、数多あるルクセンブルクのウォーキングおよび自転車コースの詳細な地図が出てくるのです!Google Map では追いきれないケモノ道のような遊歩道や家の一軒一軒まで表示されるのはさすがルクセンブルク政府の情報力。これで GPS と連動して現在位置までわかるようになれば百点満点なのですが贅沢は言いません。アプリ版は出てないのでサイトにアクセスしてスマホのメニューから「ホーム画面に追加」をタップしてアプリみたいに使ってね、とのことです。カタログを弄れば地域ごとの人口比とか行政地区の教会とか狩猟区域とか騒音の少ない地域などの社会や文化のデータが見られるのもまた楽しい。えっもうみんな知ってた?ごめん今まで気がつかなくて……。

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