怖いくらい満開の花が舞い散る桜のトンネル、日本の春の一番美しい風景のひとつですよね。そんな日本の桜並木とはまた少し違うけど、その違いが美しいルクセンブルクの丘に連なる桜を見てきました。
ルクセンブルクの桜の名所といえば市内に近いのはコッケルシェール Kockelscheuer、モーゼル川畔ではレミッシュRemich が有名。ということで程よく桜の見頃と重なった今年のイースターの週末にレミッシュに行ってきたのですが、残念ながらレミッシュ観光の目玉の一つだった桜並木は、病気のため2020年に伐り倒されてしまって残っていませんでした。

数本伐り倒されずに残っていたのは多分ソメイヨシノではない…?このモーゼルの川沿いの散歩道に咲き誇る数本の桜も美しかったのですが、横の緑地帯いっぱいに桜が植わっていた2019年以前とはまるで様子が違ってしまったようです。桜が伐られた時のRTLの新聞記事ではしばらく切り株だけ残っていたようでしたが、今はそれも撤去されていました。代わりにと観光案内所のとっても親切なスタッフが教えてくれたのが、レミッシュからスパで有名なモンドルフ Mondorf に 行く途中にあるヴェレンシュタイン Wellenstein の桜並木。
レミッシュの町から少し南下してベッシュ・クレインマシェー Bech-Kleinmacher から151号線道路をヴェレンシュタインへと登っていく途中にあります。道の片側に十数本植わっている桜はトンネルという訳ではないのですが、すり鉢状になっている谷から両側にどこまでも広がる葡萄畑の丘を登っていく道に、まるで道先を案内するように現れ、日本ではちょっと見ない光景。

これは車のフロントガラスからの眺め。桜の季節に車でレミッシュにいくことがあったら、絶対にこの道は走るべき。ちなみにインスタグラムを #wellenstein で検索するともっとずっと上手なみなさんが撮った写真がたくさん出てきますので、もっと写真を見たい方はぜひ検索してみてください。151号線道路を登り切って16号線に突き当たるところに駐車場があるので時間があったらここで車を停めるのがおすすめ。素晴らしいインスタ映えスポットがあるのです。

この桜並木とヴェレンシュタインの村を一望の元に見下ろすベストなスポットにブランコがあるのです!恋人たちのためにあるようなこのブランコ、もちろん恋人とじゃなくとも絶対に座って写真を撮るべき(私が行った時は大人気で座れませんでした…このお二人は全然知らない人たちです、勝手に撮ってごめんなさい)。シェイエルビエルクのハリウッドブランコと呼ばれているようで、ちゃんと google map にもこの名前 Hollywoodschaukel Scheierbierg で登録されてます。地図で正確な位置を知りたい時も検索しやすいです。
さて恋人ブランコだけが観光スポットではありません、ここを起点にした約8キロの周回トレッキングルートがあるのです。少し登りくだりはありますが、標高差は100mくらい、道は歩きやすく初心者でも大丈夫。靴も歩きやすいものなら特にトレッキング用じゃなくても大丈夫な感じです。

ブランコを少し過ぎると、葡萄畑の丘をヴェレンシュタインの村に降りていく階段があるのでここを降りていきます。左手に村、右下に桜並木が見下ろせて本当に絶景。

いつものように青い三角マークが順路を示してくれています。その下にある表示がルクセンブルクのワイン街道であることを示していることからもわかる通り、ヴェレンシュタインはワイナリーも豊富なクレモンとモーゼルワインの一大産地。トレッキングよりも試飲派の方はここで道を外れても良いですよ。





ヴェレンシュタインの小さな村では岩の礼拝堂や古いワイン農家、可愛い袋小路や裏通りの看板などが見れ、歩いているだけで楽しいのですが、ここは通り抜けてすぐに向かい側の丘を登っていきます。



登りきったら葡萄畑越しに輝くモーゼル、北にレミッシュ、南にシェンゲン。ヴェレンシュタインと桜並木、さっき降りてきた階段も見えます。






道は変化に富み、モーゼルを見渡す丘の上から木の生い茂る自然保護地域に移っていくと、白い山桜が咲き誇る森の中では小鳥の鳴き声が響いて、天気のいい春の日には8キロのコースがあっという間です。森の中でゆき合った人が摘んでいたのはクマニンニク(ニンニクの香りが森に漂っていました)とスープにするイラクサ。イラクサは素手で触るとかぶれてしまうので注意が必要とのこと。
程よく山を歩いたら体を休めて筋肉をほぐしたいもの。こんな時日本なら温泉に入るのに…と思ったみなさん、ヨーロッパにもスパがあるのを忘れていませんか。御誂え向きにルクセンブルクの誇るスパ保養地、モンドルフ・レ・バン Mondorf-les-Bains がここからならすぐそば!トレッキングの後に温泉に入れるなんて最高じゃない?というわけでスパ施設直結の Mondorf Parc Hôtel についでに宿泊してまいりました。
ルクセンブルク最大のスパ施設 Mondof Demaine Thermal では、現在Covid-19の感染予防対策のため、ホテル滞在者のみプールとサウナの利用が出来ます。2時間ごとにセッションを区切り、一度に入れるのは40人までで要事前予約。ジャグジーのある大きなプールと小さなプール、その周りを囲む様々な温度のサウナと一番奥の高台にあるインフィニティのジャグジーバスと、ほとんどの設備が使用できました。スパの中でもマスク着用なので泳げはしないし、一つのサウナには1人かまたは1カップルしか一度に入れませんが、人が少ないのでジャグジーなどが取り会いにならずそれはそれで快適でした。特にプールの周りの桜を見ながら人がほとんど来ない奥のインフィニティジャグジーで寝っ転がるのは最高…夕食は宿泊する部屋でではなく、日本の旅館のように個室の別室に案内されました。ベッドを運び出して急遽食事用の個室を作ったようです。朝食はルームサービス、前日夜までに朝食メニューの食べたいものにチェックを入れてドアにかけておく方式です。






イースターの旅行も出来ないし、ルクスのGoToと呼ばれる国内ホテル支援政策として政府が住民全員に配布した50ユーロのホテルバウチャーがあったので、たぶん泊まりに来ることはないな!(家から車で20分くらいだから)と思っていたスパホテルに泊まってしまいました。しかもこのホテルの夕飯は予想以上ですごく美味しかった!イースターの特別メニューは前菜がサーモンの叩き、メインが羊。両方とも見た目も味もパーフェクト。そしてデザートのチョコレートケーキの素晴らしさよ…ダークチョコレートとベリーの組み合わせに間違いなし。
そして(今は無理ですが来年あたり)温泉に興味がないグルマンな方は、ぜひ反対方向のレミッシュの方向に進路をとり、そのままモーゼルをドイツ側に渡ってすぐのネニッヒの町に向かってください。この小さなドイツの町にミシュラン星3つの Victor’s Fine Dining by Christian Bau があるのです。私も今知りました。予約はやっぱりものすごーくとりにくいみたいですが、オンライン予約が可能なので少し先のテーブルならなんとかなるかも。余裕のある方はお城ホテルにも泊まってみてね。ミシュランの星つきなど1つでも敷居が高くて予約するのにものすごく勇気が必要だった私には当分の間ここは無理なので、誰かパンデミックが収束したら行ってきてください。そして様子を教えてください。
桜が綺麗だったので^^
トップの画像、とても綺麗な桜並木
空の青さも素敵な風景ですね
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ありがとうございます!実は車のフロントガラス越しに撮った写真なのでちょっとフィルターがかかってしまっていて、色は調整しています。拙い記事ですがルクセンブルクの風景を少しでも感じていただけたら光栄です。
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