ルクセンブルクに住む人々にとって年間を通しての最重要イベント、シューバーファウアー。残念ながら今年はキャンセルですが、時期と会場を分散させた縮小版とも言える D’Stad Lieft が代わりに住民たちを楽しませています。
シューバーファウアーがない夏の終わりなんてクリープを入れないコーヒー(わぁ年齢がバレる)のようなもの。本当なら先週にはヨーロッパ最大規模の移動遊園地が設営されて大賑わいだったはずのグラシスの駐車場が、8月末になってもふつーに駐車場のまま静かなのはなんとも物足りない感じ。
それでもこの夏、すでに7月から町のあちこちにちらほらとメリー・ゴーラウンドや食べ物の屋台が目につきます。D’Stad Lieft(My City is Alive、町はどっこい生きている〜♪というところでしょうか)というルクセンブルク語のロゴも、活動の制約やイベントの中止を余儀無くされる不便な生活のなかでなんとか楽しもうという市民の気概を感じますよね。アトラクションは子供無料というのもなんとも太っ腹。

何十万人もの人が訪れ、富士急ランド級の絶叫マシンやたくさんの屋台が立ち並ぶいつものシューバーファウアーもいいけど、こんな風にソーシャルディスタンスを取りながらのんびりまったりと楽しむ夏もたまにはいいかも。会場間が遠いのが大変だけど、お誂え向きにこの3月からルクセンブルクの公共交通機関は無料になっているので、バスを乗り回して移動するのも意外に楽しい。
ちなみに会場の地図と屋台やライドの詳細はこちらがわかりやすいです(英語)。
グラシス駐車場

まずはグラシス Glasis の駐車場。南側のカセイスCaceis の前あたりにドライブインの屋台ができてます。メニューはフレンチフライ、バーガー、グロンペルキッシェルシャー(すりおろしたジャガイモを揚げたルクセンブルクのソウルフード)などのルクセンブルク屋台飯の基本どころは抑えつつ、ワッフルなどの甘いものも。ドライブインですが歩行者も購入可能です、テラス席もあり。
オーギュスト・ローラン広場
グラシスからトラムのテアトルThéâtre 駅の先、ヴィクトル・ユーゴー通りAvenue Victor Hugo を少し歩いたところにあるオーギュスト・ローラン広場Place Auguste Laurent には小さなゲームアーケード、ゴーカートや回転ぶらんこ。アジアンヌードルやスイーツの屋台も。
オーギュスト・ローラン広場
キネクズヴィス

シューバーファウアーの象徴とも言える直径50mの大観覧車、今年はキネクズヴィスKinnekswiss で乗れます!観覧車の前の広い芝生は社会的距離取り放題。天気のいい日はみんなの憩いの場に。食べ物の屋台はアイスクリーム、果物系、ギロピタ(ギリシア風ケバブ)、公園のなかをヴィラ・ヴォーバンVilla Vauban まで行くと小さな回転ブランコも。
市中心部

市中心部はアトラクションや屋台が分散。テアタープラッツTheaterplaz には去年に引き続き砂浜が登場。海こそないけどパラソルの下でデッキチェアに寝そべって目を閉じればそこはもうリゾート?テアター前のプラッツ(広場)がテアター前のプラージュ(砂浜)に、と市の公式サイトには書いてあります。そうかダジャレでしたか…。背後の黄色い建物は過去の名画のアーカイブが揃っているレトロな映画館シネマテークCinémathèque、映画イベントの会場にもなります。余談ですがここの趣のあるロビーは必見。
↑ 左上から時計回りに。ギャラリー・ラファイエットの横のパステス・デ・ナタのお馴染みの屋台。ルクセンブルクはポルトガル移民が多いせいか、かなり美味しいです。ギャラリー・ラファイエットの正面には可愛いコーヒーカップ。オーベルワイズ前には回転木馬。アルム広場のカラフルな汽車。旧中央郵便局の建物前でお菓子を売る屋台。
憲法広場

憲法広場Place de la Constitution ではアトラクションや食べ物屋台はもちろん、アクセや衣類なども売っていて、1340年から何百年も続く交易の市場としてのシューバーファウアーのミニチュア感があります。あまり密になるのも怖いけど、1箇所にある屋台などの数もここがいちばん多いので、平日の混まない時間帯を見計らって訪れるならここがおすすめ。
アドルフ橋やSpuerkees(国立商業銀行)の塔を見ながらのコースター、ミニゴーカートやダック釣りを楽しめるのも市内随一の見晴らしを誇るロケーションの強み。他の会場同様、感染防止には気を遣っていて、アトラクションは一回ごとに消毒を繰り返すためちょっと入れ替えに時間がかかってます。平日昼間ならさほど待たずに済む模様。




食べ物も充実。↓ の左上から時計回りに、ルクセンブルクと歴史的に関係の深いオランダを代表するスイーツ、ポファチェス。みんな大好きパリの味覚クレープ。大人向けにはルクセンブルクのビールも。お馴染みルクセンブルク屋台飯の代表グロンペルキッシェルシャー。




ストラスブール通り(中央駅そば)

中央駅からヨゼフ・ユンク通りRue Joseph Junck を進み、ストラスブール通りRue de Strasbourg と合流する地点には小さなメリー・ゴー・ラウンドが。通りかかったら係員のいる箱に注目、アドルフ橋や黄金の乙女像など、ルクセンブルクの名物が描いてあるのです。
ジャンヌ・ダルク広場

中央駅の南東、ボヌヴォワBonnevoie の住宅街の真ん中のジャンヌ・ダルク広場Place Jeanne d’Arc に出現する移動遊園地。パスタの屋台やゴーカート、ダック釣りなどを楽しみに、近隣の家の戸口から子供達が駆けつけてくる町の移動遊園地という感じ。


メール公園

こちらは駅の反対側、市の南西にある市民憩いのメール・パークMerl Park の水辺のコースター。噴水のある池に水鳥が集まり、咲き誇る花壇も美しい気持ちのいい公園に、滑り台やダック釣り、トランポリンが出ていて子供達は大喜び。食べ物の屋台はないですが公園の中にカフェあり。
週末は家族連れが多く乗り物には少し列が出来ていましたが、皆さんきちんとソーシャル・ディスタンスを取って並んでました。



ちなみに、このメール公園までは↑ のボヌヴォワのジャンヌ・ダルク広場からは5番か6番のバスで一本で行けるので、飽きたらバスで移動するのも手。雰囲気が違って面白いです。
パフェンダルpafendall の先の Lavel Park、スサンジュCessange の Place de Roedgen、メールMerl の Place Thorn にもライドや屋台が設置されています。
それでは皆さん、そろそろお天気もなんだか秋模様な今日この頃、去り行く夏を精一杯惜しんでください。あでぃー!